「こんにちは、村人です」
「ガハハ!バーバリアンだ!ガハハ!」
「読者様から応募の企画『バーバリアンの基本を舐めるなよ!』ですが、ついに始まりましたね。
このコーナーでは、今更説明するほどではない、クラクラの基礎テクニックを、バーバリアンさんが解説してくれるというコーナーです」
「ガハハ!最初に言っておく!
俺は、戦地で母親の骸の下に産み落とされ、傭兵団に拾われて育った男。
読者の貴様らのような、現代日本のあまっちょろい空気の中、ゆとり教育を受けて育った連中とはわけが違う!
そこを心しておけ!」
「あれ?ここにあるプロフィールによると、バーバリアンさんはわりかし裕福な家庭で生まれ、両親の愛情につつまれ、そこそこ立派な教育を受けたと書いてありますが…」
「ば、馬鹿な!俺のモットーは「粗にして野」!しかし卑ではないことを誇りにしている蛮族の中の蛮族!
愛情など、知らん!見たことも、聞いたこともない!」
「でもこの前、みんなで一緒に食事したとき、食後にナプキンで口を丁寧にぬぐってたじゃないですか。
箸の使い方すごく上手だったし。コックさんに笑顔で『すごくおいしかったです』って頭下げてたし。」
「そ、そんなことはない!食事は基本、手づかみだ!あと食後にコックは殺すことにしている!ガハハ!」
「蛮族とは、そういうものだ!感謝の言葉を言うのは、敵の首をとったとき、死体に向かってだけだ!」
「なんでそんな蛮族キャラにこだわるのかちょっとよくわからないですが、続きをどうぞ」
基礎ってのは、要するに、先人たちが時間を掛けて洗練させてきた工夫の塊だ!
技術に長けた連中が、長い時間をかけて編み出した、テクニックのエッセンスだ!
それを学ぶことが、いかに効率の良いことか、貴様らのような…えーっと、でくの坊にもわかるだろう!」
「あ、ほんと?ごめん。では『皆さんならわかってくれると思う!』。これでどうか」
「ウム!よく初心者で『自分の個性が~』とか言いたがるやつがいるが、大きな間違いだ!
「個性」や「独創性」ってのは基礎の向こう側にある、緻密な工夫の蓄積だ!
『悪い癖』を『自分の持ち味』だと勘違いするやつに成長はない!覚えておけ!」
「真面目ですねぇ」
「バスケットの国アメリカの、その空気を吸うだけで高く跳べると思うなよ!」
「この前貸したスラムダンク読みました?」
「あ、うん、昨日。読んだ読んだ。すっげー感動した。山王戦。ありがとね」
「あ、ありがとうって言った。すみません、続けてください」
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